2018/03/30

『白狐魔記』が面白い!

確かに私は歴史が好きでした。日本史も世界史も。でも中途半端な私の知識なんぞ、日本史ブーム最中のウチの子に、あっという間に追い越されちゃいましたね。

そんなウチの子が先日持って帰ったのは、学校の図書室で借りてきたという、とある本です。「面白いよ」と勧められて、私も追っかけるように読んでみると、なるほど、小〜中学生向け小説ですが侮れません。大人も夢中になれる素晴らしく面白い本でした!

『白狐魔記』という、狐が主人公の大河ファンタジーシリーズ。『源平の風』、『蒙古の波』、『洛中の火』、『戦国の雲』、『天草の霧』、『元禄の雪』全6巻で、鎌倉から江戸中期までの、武士が活躍した時代を狐の視点で追って描いた小説です。作者の斎藤洋作氏の作品はどうしたって面白い、という方々での噂の訳がこれでよく分かりました。歴史モノに有りがちな難しい漢字も少なく、全てにルビがふってあるので、こんなありがたいことはありません。日本史、知りたいけれど、硬い文章は苦手。登場人物の多さに目が回る。本を読むのは少し億劫。そんなつまずきを感じてしまう方にこそ、おすすめしたいです。

とにかく1巻目の『源平の風』の冒頭から、グイグイ引き込まれます。白狐魔丸という好奇心旺盛な狐が、人間に興味を持って、歴史上の人物に付いて回り、人間観察をしてゆきます。どうして人は争うのか。その心理を探りたいという強い動機から、人間に化けたり、気を使う術を身につけたりして狐も進化を遂げ、怒涛の時代をクリアしてゆきます。巻を追うごとに、白狐魔丸は、一貫して争い嫌いでありながら、人間への理解を深めてゆくので、読んでる方も一緒に人間の深層心理、面白さや悲しさに触れられます。ぜひ狐に寄り添って1巻目から読んで欲しいですね。

ちなみに、化け狐は3匹登場します。主人公で、争ってばかりの武士が嫌いという若い白狐魔丸、「殺生」を嫌う仙人の狐、「復讐」に燃える雅姫という雌の狐で、それぞれに主義があって魅了的です。ウチの子や私は、白狐魔丸が純朴で賢く、可愛いくてしかたがないのですが、多くの大人は、複雑な雅姫にこそ惹かれるかもしれません。物語が進むほど存在感が増してきます。美しいものを好み、賢く、愛情深い。でもどうしても復讐心から解放されず、悲劇に向かってしまう。本当は、ただひたすら北条時輔が好きなだけという、ものすごく女性的な狐。なんとも、格好よさと切なさを備え持ったヒロインです。

この本のお陰で、日本史がぐっと身近で情緒あふれる「物語」になりました。

(Anne)

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