2015/02/18

ゆけっちゃ、かさかさ/その1

去年12月の話。そろそろどこかに行きたいな、と思う頃、駅の改札前にズラッと並ぶ旅行パンフが目に入る。フィンランド・オーロラの旅、南仏大人セレブの休日ツアー、オーストラリア世界遺産に滞在、東北名湯癒しの旅、格安スノボーホリデー、などなど、魅力的なコピーに行きもしないのについパンフを抜き取り、ただでさえブタみたいに膨れた私のトートバックをいっそう肥やして帰る羽目になるのは毎度のこと。でも、朝の新聞代わりにたまにこんなパンフにじっくり目を通して、これこそ格安の癒しをゲットするのも悪くない。

ともあれ、旅にはなにかしら素敵なタイトルがつけれれるものだと思うが、先日私が行ってきたのに関しては、なんと言っていいのか分からない。「雪山トレッキング秘湯宿の旅」?それにしても雪山というほどの雪でもないし、山でもない。トレッキングというほど気合の入った山道でもない。温泉旅行というほどゴージャスな宿でもなく、秘湯を求めてというほどワイルドではない。説明するとなると長くなるので、周囲には適当に「いとこ会で、女子4人、雪山トレッキングに行ってきます」とだけ出発前にメールしておいた。

ところが、返信はこぞって「くれぐれも気をつけて」、「準備を万端にするように」、「無事で」、「非常食を。。。」うんぬんかんぬん。

え?山は甘くみては決していけないけど、もっと警戒するべきところなのかしら?とだんだんドキドキし始めたころ、伯父からもメールが届いた。普段は冗談ばかり言って、かなりブラックな伯父なのに、深刻な文面だ。「防寒をしっかり、靴を慣らしておくよう、地図や笛を忘れず、万が一のときのことも念頭に。。」などと長々書かれている。次第に怖くなって行くのをためらい始める私。しばらくすると、またブルブル携帯のバイブが鳴る。見ると、また伯父からのメールだ!「もしも大雪で、宿までタクシーで行くことになっても、油断禁物。タクシーごと身動きがとれなくなったらエンジンは原則切ること。。」とある。確かに、教習所でエンジン切れって習ったな。けど、気が重くなるようなメールに、行く気が激減。そして、またブルブル音。案の定、伯父。これで3通目!なにかと思えば「アンヌは日頃運動不足だろうから、トレーングしておくように」と。

なんですと?日頃運動不足ですと??

私だって、一応体型維持くらいは念頭にあって、有酸素運動くらい日課になってますよ、とやや盛って生意気な文面で返信しておいた。

運動不足のレッテルを貼られちゃ、心外だ。名誉挽回で、もう、これは行くしかないでしょ、行くに決まってる!私の意欲はマックスに盛り上がった。

さあ、それからが大変。アウトドア専門店に行って、笛や方位磁石、スノーブーツや、防寒具、非常食など集め、アイゼンの前で悩み、宿には何度も道の安全確認の電話を入れ、妹といとこ達に持ち物確認のメール送信、お守りも準備をして、遺書を書くか迷うに至るまで、大騒ぎの大忙し。しかし、こちらのテンションとは打って変って、宿に危険度を問い合わせると、返事の口調はのんびりだ。

「そうですねぇ、雪は10~20センチほど。なだらかな道ですからねぇ。みなさん、歩いていらっしゃいますねぇ。タクシーでは、いらっしゃいませんねぇ。まぁ、雪が靴の中にはいらないようにしておけば。」

ゆるい!こんなにゆるくて大丈夫なのか?でも、案外大丈夫なのかも?

とにかく行ってみよう、というわけで、いとこ会女子4人、北千住から『特急きぬ』に乗り込んだ。(つづく)

奥鬼怒/1

奥鬼怒へ足を踏み入れると、、、。

奥鬼怒/2

誰もいない。次第に、雪深く。。。

 

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