2017/10/30

映画『ギフテッド』

今日は、11月23日から公開されるオススメ映画、『ギフテッド』のご紹介です。シンプルなのに深い、深刻なのに軽やか、泣けるけど楽しい、そんなハートウォーミングなファミリードラマです。

みなさん、「ギフテッド」と聞いて、なんだろうと思いませんか?日本ではあまり馴染みはないかもしれません。簡単に言うと、生まれつき特別な才能を持った子という意味です。(このことについては後ほど少し触れてみます。)本作品では、ずば抜けた数学の才能を持ったギフテッド、メアリーという7歳の女の子が登場します。とはいえ物語は、雲の上の話、とっつきにくいコアな内容ではまったくありません。どちらかというと、家族の幸せや、ひとりひとりの幸せはどこにあるのかという、身近な問いが散りばめられた、人懐っこい雰囲気の作品でした。監督は『(500日のサマー)』のマーク・ウェブ。

舞台はフロリダ。メアリーは、叔父さんでシングルのフランクと、賢い片目の猫と仲良く暮らしています。でもちょっと訳ありです。母親は亡くなっていて、叔父は養育を託され、祖母とは連絡を閉ざしている様子。おまけにメアリーはといえば、類まれな数学の才能があるときています。にもかかわらず、叔父の方は頑なに姪の特別扱いを拒んでいます。しかし、メアリーが小学校に上がるタイミングで問題が浮上します。クラスでの計算問題は簡単すぎ。苛立って生意気な態度をとるメアリーをどうするべきか。普通校、特別校、それとも研究室?メアリーが満たされる環境はどこなのかを巡って、フランクと教師、そして祖母との間で討論が始まり、衝突は裁判へと発展して行きます。幸せの鍵はどこに?やがて思いもよらない真実が明らかになります。メアリーの母親の願いとは…。

メアリー役を演じたのは、輝く大きな瞳が魅力的なマッケナ・グレイス。子供らしさと知的な雰囲気を兼ね備えていて、激しさも表現できて、泣くシーンも天才的。まさにギフテッドにふさわしい子役だと思いました。フランク役のクリス・エヴァンスにも驚きました。『アベンジャーズ』シリーズの、肉体派アメコミヒーローのイメージが強いですが、一転して少し影のある、少しもっさりした、近所にいそうな優しい叔父さん役を見事に演じています。

その他の役者たちの演技もリアリティーがあります。こうした親しみやすい人物像で固められているのも、本作品の魅力だと思います。ご存知のかたは、現代版『クレイマー・クレイマー』ね、と思うかもしれませんね。ともあれ感動作です。

ところで、この「ギフテッド」というタイプについて少し触れてみたいと思います。

私は、保育園や小学校、それに地域の読み聞かせ活動などで、いろいろな子供達や保護者の方々とふれ合う機会が増えてきました。そんな中、時々「おや?」と思うお子さんがいます。例えば、長文絵本を他の子にスラスラ読み聞かせる3歳児、図鑑レベルの宇宙の知識があり語彙も豊富なのに作文は苦手な7歳児、一般的な漢字はほぼ読める超完璧主義の6歳児、どんなお稽古をやらせてもあっという間にレベルアップしてしまう6歳児、極めて高IQなのに普段はぼんやりの6歳児、芸大生のようなデッサン力と工作能力があるのに他のことは苦手の5歳児、セリフや振り付けを一回で覚えてしまう5歳児、などなどです。あと全員ではありませんが、凸凹した成長の仕方、気性の激しさや、過敏な性質が目立ちました。そこで、調べ始めて出会ったのが、この「ギフテッド」という個性です。本作品では、大学生以上のレベルの数式を解いてしまう、といった分かりやすい「ギフテッド」を描いていますが、実際、「ギフテッド」と一言に言ってもいろいろなタイプがいるようです。いわゆる「天才児」とは少し違う。このメアリーのように超難問の数式がとける子、飛び級できる子というようなタイプだけではまったくなく、また高IQだけが診断の基準でもなければ、学習方法が独特なため、必ずしも学校の勉強ができるわけでもなく、タイプは様々だそうです。大きな誤解が生まれないためにも、どうやら、もっと理解を深める必要がありそうです。ただ明確なのは、一般的な優秀なお子さん、というのとは明らかに様子が違うということです。こうしてアンテナを張っていると情報が集まってきやすく、「ギフテッド」はレアなケースですが、さほどレアでもない。ギフテッド・タイプはあちらこちらに思いの外いるな、という印象を受けました。

特徴としてはこうです。ウィキペディアに「優秀な子」と「ギフテッド」を比較したグラフがあるので引用します。

優秀な子供(Bright Child)

ギフテッド(Gifted Child)[26][27]

質問に答える

詳細を討論する、話をそこから展開できる / 質問に疑問をもつ

興味を示す

非常に好奇心が強い

興味を持って聞く

強い情感と意見を表す

自己満足する(正解した時)

厳しい自己評価(完璧主義)

精巧に真似ができる

新しいデザインを創造する

簡単に学ぶ 

退屈、すでに答えを知ってる

答えを知ってる

質問する

注意深い 

心身ともに熱中、没頭する

成績はトップグループ

グループ枠を超えた成績

学校が好き

学ぶことが好き(でも学校は好きではない)

同学年の生徒といるのを好む 

大人や年上の生徒といるのを好む

受容的 

真剣、情熱的

反復6-8回で修得する 

反復1-2回で修得する

単純で順序立てたやり方を好む

ゴールを明確に設定し、そこから逆算する。複雑さを求めているような誤解を受ける 

一生懸命に努力する 

遊びながら、集中力に欠けたり、でもよい成績をとる 

アイディアを理解できる

抽象化思考ができる

よい暗記力 

よい推測力

よいアイディア 

常識外れたアイディア(とっぴな、ばかげたアイディアに見える)

ほかにも、ギフテッドの特徴として、上記と重複する部分もありますが、例えばこんなです。メアリーにも見られるような強い正義感(博愛主義、平等平和主義、自然や動物に関して強い愛護)や、ユーモアのセンス(オヤジギャグを含む)、学び方が独特(ある人は「インテンス」、ある人は「知識を渇望している」などと記していました)、長時間集中できる、スポンジのような吸収力、過敏、激しい、問題児とみなされやすい、他の子とのギャップを感じている、などがあります。

以下のサイトには、分かりやすい説明が載っています。

https://moomii.jp/kosodate/gifted-feature.html

というわけで少しギフテッドについて触れてみましたが、複雑なので今回だけではお伝えしきれないのが残念です。

ただ、こうした特徴を持ったギフテッドなだけに、子育てに手こずる場合が多く、保護者は自分の子育てに非があると思いがちです。また、いくら子供のこうした特徴を親が理解していても、まだ「ギフテッド」の認知が高くない日本では、周囲の理解を得るのが難しく、援助を必要としているのに誤解を受けてしまう傾向があると思います。瞬時に理解できる教育者やカウンセラーに巡り会えたケースはラッキーですが、そうでなければ、知人にも打ち明けられず、公的相談窓口も見当たらずで途方にくれたり、園や学校側の無理解に傷つけられてしまう悲しいケースも多いようですね。「ギフテッド」といっても、羨ましいことばかりではないと。親子両者を孤独の淵に追いやってしまわないように、日本でも理解が深まることを願っています。

今回、この作品の公開が、そのきっかけになるといいですね。

映画『ギフテッド』(1時間42分)、11月23日(木・祝)TOHOシネマズ、シャンテ他ロードショー。

(Anne)

 

 

 

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