2017/10/15

いきもののはなし

動物園に行くことはありますか?あんがい、けっこう、いえ、ものすごく、楽しいと思いませんか?

私は昔、家族に連れられて、または遠足で行った覚えがあります。でも当時はあまり動物に興味がなかったうえに、人だかりの中、なんとか頑張って柵に近付けたとしても、動物は遠く、少ししか、あるいはガラス越しにしか見れなくて、行くたびにがっかりしていた記憶があります。家で動物図鑑を眺めている方がまだ面白いと。野山などで空想に浸ってお姫様ごっこをしてる方が断然楽しいと、そんなふうに思っていた子供時代でした。でも、今度は自分が子どもを持つようになると、動物園は避けられないお出かけスポット。連れていかなくてはという責任感で、再び、でもしぶしぶ、行くことになりました。それが数年前。

しかし昔の私は何処へやら。行けばどの子どもよりもはしゃいでいたのは、まぎれもなく私だったようです。今では年に数回行く程の動物園好きになりました。ありきたりな表現ですが、本当に生き物って面白いです。そして、不思議。さらに、なんといっても可愛い。

というわけで、先日もズーラシアで楽しんできたところです。

ズーラシアにもいますが、私が最近興味を持っているのはリカオンです。動物は、トラやヒョウ、それにシマウマやキリンのように美しい幾何学的な模様をまとっているもの、というイメージがありました。体の一部にだけに幾何学的模様のあるオカピのような動物もいますね。あとは、まるで太極図のようなマレーバクの体色も感動的です。月夜でのカムフラージュはお手の物だろうなと関心します。でも、リカオンは違いました。初めて見た時、「デタラメ」と表現したくなるほど不規則なまだら模様は、あまり美しいと思いませんでした。でもよく見ると、身体つきはけっこう華奢で弱そうです。聞けばサバンナの肉食動物の中では立場が低めだそうです。でも知能派。仲間との団結力が強く、狩りの戦略は真田軍顔負けと思うほど巧みです。しかも獲物を見つけたらしつこい位、どこまでも、どこまでも、追う。命中率は80パーセント。ライオンの3〜4倍ですもの。その様子をドキュメンタリーなどで観ると圧倒されますが、獲物を捕まえた直後の様子は正直あまり見たくないですね。気になる独特な模様はというと、実は人間の指紋のようなもので一匹一匹違うのだそうです。当初奇妙な柄と思いましたが、いろいろと見聞きしているうちに、リカオンの魅力に気付かされたというわけです。(ズーラシアでは、うっかりリカオンの写真を撮り損ねてしまいました!)ともあれ、動物の生態はまだまだ謎も多いそうですね。知られざる動物世界に惹きつけられます。

そんな動物たちの魅力を素晴らしいデッサン力で表現した絵本作家がいます。吉田遠志さんです。木版画作家としても有名ですが、「自然や動物を愛する心は、幼い時から養われねばならない」と作者が強い思いを込めて、『絵本 アフリカのどうぶつたち』(リブリオ出版)というシリーズを制作しました。

全17巻にも及ぶこのシリーズは、どれもサバンナの光や風、動物たちの生き様や躍動感が押し寄せてくるような、力強さがあります。具材は水彩と色鉛筆なのでしょうか、タッチはとても繊細なのに。

遠目にも映えるのでお話会でも使えると思います。内容も深く、象がお葬式をするという実話に基づいた『かれえだ』という題の一冊では、象牙の密猟を彷彿とさせるシーンもあり、また、『おもいで』ではサバクトビバッタの蝗害を描いたシーンがあったりと、世界情勢に関心を持ち始める高学年にも十分合うと思います。中学生でも読み応えあるかもしれません。このシリーズの第1集は『ライオンのかぞく』というテーマで全7冊から成り立ってます。『はじめてのかり』、『ありづか』などのお話があり、一話一話お話は完結していますが、7冊を通してライオンのサバイバル物語にも発展していきます。

第2集は『ゾウのかぞく』というテーマ。『かれえだ』や『おもいで』といったお話はここに含まれます。そして『草原のなかま』という第3集へと続きます。この三部作は、それぞれに繋がりを持ち、物語が絡み合って、壮大なサバンナの自然が読者の心に広がる展開になっています。

ちなみに、リカオンが主役の一冊もあります。

第1集『ライオンのかぞく』の中の一冊、『おみやげ』です。素晴らしい狩りの戦略も描かれていますし、その「おみやげ」が何かというのにも驚きます。後書きも逃せませんよ。お楽しみに。

ただ、あろうことか、このシリーズは絶版です。中古も、状態が良いものは高額がついているのもあり、全シリーズ購入したくても、あきらめる他ありません。幸い、図書館で借りれますが、できればずっと家に置いて何度も読みたい、そんな作品ですね。こういうシリーズこそ複刻の価値があると思います。是非、複刻して欲しいです。

(Anne)

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