2017/05/29

最近の大ヒット絵本3冊

今日、ご紹介したいのは、『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)、『とてもすてきなわたしの学校』(童話館出版)、『ロベルトのてがみ』(好学社)の3冊。

いずれもウチの子(小2)の、最近の大ヒット絵本です。

『りんごかもしれない』は作者ヨシタケシンスケのデビュー作にして、MOE絵本屋さん大賞をはじめ数々の絵本大賞を受賞したにふさわしい、老若男女問わず好まれそうな、傑作です。主人公の男の子が学校から帰ってくると、ダイニングテーブルの上に赤いりんごがポンと置いてある、という極めて平凡な生活のワンシーンから始まります。だけど男の子はそこで、ひょっとしたら「りんごじゃないかもしれない」という考えが浮かびます。そこからが、想像の大旅行。「りんごではない」可能性の奇想天外な物語が繰り広げられ、そのナンセンス、ありえなさに、笑い転げてしまいますが、そもそも、こういう思いもよらない発想こそが、発明や発見につながるわけですよね。まずは今、目に見えているものや、当たり前と決めつけていることを疑ってみようよ、とも取れるメッセージには、言葉にならないほど共感しました。結局、主人公がダイニングテーブルで見たものは、「りんご」だったようですけどね。

次に『とてもすてきなわたしの学校』ですが、これも奇想天外な発想のオンパレードで子供もゲラゲラ笑ってしまいます。どんなことを学校で教わるべきか、という作者ドクター・スースらしいユニークな見解が、私たちが持ってるいろいろな固定観念やしがらみ、窮屈さ、などから解放してくれて、頭がどんどん柔らかくなるような作品です。そもそも、映画『グリンチ』(ジム・キャリー主演)の原作者ですからね、かなりのブッ飛び様なのはお分かりかと思います。

このドクター・スースが「推進する」学校は、『なんでもスクール』というところで、自由でおおらか、ネーミング通り、なんでもOKというところです。先生方から教わることといえば、大声でわめくことや、小鳩にどうやって胡椒をかけるかということや、空を飛びたいカバがなぜ飛べないか、などなど。子供達はこの学校が大好きです。ところがある日、学力テストを受けないといけないことになります。子供達の成績が良くないと「なんでもスクール」は壊され、陰気で牢屋のような「従順スクール」に送り込まれてしまうかも、という危機にさらされます。さて、どうなるでしょうか?なんでもスクールの子供達の学力はどうだったと思いますか?

そして最後の一冊です。『ロベルトのてがみ』。あの、控えめな絵と可愛らしい物語で有名な『もりのなか』や『わたしとあそんで』の作者、マリー・ポール・エッツの、小学生向けの作品です。絵はより一層地味で、そのせいか、ずっとウチの子に避けられて本棚で眠っていたのを、めげもせず私はまた引っ張り出してきて、「これ読もう」ともう一度誘ってみました。10数回目にして、やっとOKされましたが、これがなんと時を待っていたと思えるぐらい、タイムリーだったんです。

メキシコからアメリカに移住してきた一家には、ロベルトという小さな男の子がいました。兄弟に遅れてまだ英語ができず、いろいろな思いが伝わらないため、いつも叱られるようなことばかりしています。でも、少しずつ周囲の理解と協力によって、英語を自分のものにしていき、大切な人に大切な思いを伝える手紙まで書けるようになるといった、ロベルトの成長物語です。どうやら、ウチの子は、最近めっきり叱られなくなったことや、英語を学び始めたことなど、自分と上手い具合に重なったらしく、読み終えるととても満ち足りた様子でした。それと、作者自身が、絵本作家という以前に、社会福祉事業の専門家だということを初めて知りました。本作品は、サンフランシスコで貧困地区の援助活動をしていた経験が大きく反映しているようで、登場人物の背景や気持ちの描写がとてもリアルで繊細です。わたしはこういう「社会派」というような絵本もとても好きですね。視野が広がることは心の豊かさにつながります。それは他人に対してより寛大になれて、自分の心も平和になりますよね。ただし、作品のメッセージが偽善でなければ、の話ですが。

(Anne)

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