2016/12/22

はじめてのストーリーテリング

先日、夢が叶いました!といっても、とってもとっても小さな夢ですが。

おはなしのろうそく11 

はじめて、ストーリーテリングというものをさせていただきました。素話とか語りきかせとかともいうものです。絵本の読み聞かせも好きですが、素話にもずっと憧れていました。というのも、私にはこんな経験があります。

子供のころから夏休みは毎年山間の避暑地で過ごしていましたが、私が小学生のころでしょうか、我が家の2件先に2つ年上の女の子のお友達がいて、そこへ遊びにいくのが楽しくてしかたがありませんでした。とりわけ、夜は。と、いうのも、、、。

木陰に隠れた家は、夜になると夏なのに肌寒くなり、蛍光灯の青白い光にチラチラと蛾が舞っているような、全体的にひんやりとした雰囲気がありましたが、そんな中で、そこのお家のお母さんが、怪談を素話でしてくれるからです。毎晩のように語ってもらって、それはそれは怖いものでした。そして、それはそれは魅力的でした。さらに、そのお母さんの吸うタバコの煙も、ハスキーな声も、くっきり吊り上がった黒いアイラインも、真紅の口紅を塗った大きな口も、時々別部屋のドアが開いて痩せたお婆さんがスウッーと出てくる様子も、そしてそのお婆さんが窓辺で煙管を吸う姿も、全てが怪談の世界のようでした。そして帰りは必ずウチの門まで送ってもらわないと、一人で帰れません。それくらい怖い話でした。なのに、また翌日になると早々に夕食を済ませて、まだ日のあるうちに2件先へ急ぎ、「怖い話、してー!」と遊びに行くんですから。懲りもせずに。それはつまりそれくらい語りが上手かったということと、友人宅という安心できる場所で、友人のお母さんという安心できる人から語られたからなのでしょうね。

たぶん、それ以来だと思いますが、私の心のどこかで、人に物語を語りたい願望がじっくりゆっくりトロ火で煮立っていたんだと思います。幾度も、私は人にお話をするのが好きだな、と自分で思うことがありましたが、ある時、そんな思いが導いてくれたのでしょう、素話の発表会を見学する機会がありました。読み聞かせのボランティアや子供の保育・教育関係者の方々が、素話のトレーニング講座を終えて、発表をするというものです。素話を聞いていると、まるでお話自体が息を吹き返すようなそんな感覚があり、また面白いことに話す人によって、同じ話でも全然違ったカラーになるんだと知りました。絵本の読み聞かせでもそうですが、もっとカラーが出ような。

先日も、地域の『大きなお話会』というのに参加して、はたまた素話の面白さを痛感しました。小学生の高学年向けにある方が用意した素話で、『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』という本から抜粋したお話でした。それはそれは可笑しい話で、思わず吹き出しそうになるシーンも多いのですが、その本を購入して読んでみると、松岡享子さんの文の素晴らしさが、語られることによってもっともっと生きてくるものなんだなぁと思いました。

そんなこんなでいると、わたしにも巡ってきました。素話をする機会が。読み聞かせボランティア養成講座の実習内で、ですけれどもね。選んだのは『せかいでいちばんきれいなこえ』(『おはなしのろうそく11』東京子ども図書館編)というお話です。小ガモが広い世界を見ようと思って、ウチを出てみるといろいろな動物に出会います。聞いたことのない素敵な鳴き声に、自分も真似をしてみようと思いますが上手くできません。自信をなくした小ガモ。その時お母さんガモが現れて、やっと自分も同じように立派に鳴くことができました、という可愛らしいお話です。正直、お話を覚えるのは大変です。緊張もしました。でもお話を体に取り込んでみて、はじめて語ることの幸せを感じたひと時でした。

Anne

くしゃみくしゃみ天のめぐみ

こちらは『くしゃみくしゃみ天のめぐみ』(松岡享子作/福音館書店)。5話のあくびやしゃっくり、くしゃみなどにまつわる素敵なおもしろ話が詰まっています。

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