2016/10/24

パラリンピック

やっと秋らしい朝夕を迎えることができるようになりましたね。もうほとんど散ってしまいましたが、朝窓を開けると金木犀の香りが出迎えてくれるこの頃が1年の中で一番好きです。金木犀がないフランスから帰国したばかりの頃は、この香りが鼻をかすめると懐かしさで胸がはち切れそうになっていました。

金木犀

日本には金木犀をはじめ、私が心地の良さを感じる景色や習慣がたくさんあります。一方で、時折少し息苦しく思う時もあります。それは、フランスに比べると、人と違うことが評価されづらいところでしょうか。フランスだと、ひとりひとり意見が違って当たり前、討論と呼ばれる意見のぶつけ合いをするのが楽しい、移民が多いことも手伝って見た目の違いも大きいですが、なんのその、それぞれの個性に誇りを持っているという具合です。でも、日本だと、意見はなるべく衝突させないように、目立った格好はしないように、協調性が大切と気を使うばかりに、挙句の果てに願わくば、あと10センチ背が低かったらと思うまでの心境になることもあるんです。みんな同じという環境より、たくさんの「違い」が身の回りにある方が私はホッとしますが、みなさんはいかがでしょうか?

前振りが長くなりましたが、そんな角度から、先月のパラリンピックに纏わる話をちょっとしたいと思います。

この夏のオリンピックは面白かったですね。みなさんはテレビで観戦しましたか?私は、水泳と陸上に贔屓の選手が登場していたので、すくなくともハイライトは見逃さないという程度ですが楽しみましたよ。それと、いろいろな国の選手が登場するので、これは世界地理に関心を持つチャンスだと、うちの子もテレビの前に座らせ、出身地の説明をしてみたりもしました。まあ、実際説明がクドくなると、「ママ、いいから」と口をつむらされ、肝心なのは競技の方だと諭されることもしばしばでしたけれども。

そして、その後のパラリンピックの方はいかがでしたか?こちらは、私は、オリンピックとはちょっと違う楽しみ方をさせてもらいました。こちらは新聞を通して毎日ニュースを得ていたのですが、勝ち負けやメダルの数にはあまり関心が持てなかった代わりに、選手ひとりひとりが頑張ってる姿はもちろん、ハンディに対してをどういう風にサポートして試合にするのかという競技方法を知ったり、義足や車椅子などのテクニカルな面に興味をそそられたりと、国や人種の違いもさることながら、たくさんの「違い」を目の当たりにし、様々な「アイディア」を知ることの方にワクワクしました。子供の小学生新聞にはたくさんの写真が情報と共に掲載されていて、母子共に、へぇ、と思うことがたくさんあったわけです。

思えばロンドンパラリンピック開幕前に、表参道駅に日本代表選手の等身大ポートレート写真がズラーっと飾られていましたよね。それぞれ個性を持った選手の力強い「気」が伝わって来るような、宮本直孝さんの素晴らしい写真が心に残っています。今回は、前回よりも増して、パラリンピックの宣伝ポスターや、その他選手を採用した企業広告なども目立ったように思います。

あるとき、ウチの子がなんらかのポスターの前で立ち止まり、釘付けになっているときがありました。どこか急ぎで向かう途中だったので、少し離れたところから私は「行くわよ、遅れちゃうわよ」と急かしてみてましたが、聞こえていない様子。ジッと見入っているんです。なんのポスターだろうかと近づいてみると、義足をつけたパラリンピック選手が写っていました。うちの子は去年保育園に貼ってあったポスターで、義足というものがあるのは知っている筈です。何かに興味を持ったんだな、と少し待ってみることにしました。選手の姿が、普段あまり見かけない、ちょっと「違う」様子だから気になるんだろうと。しばらくすると、「ねえ、ママ、このロボット、すごい」と言って私の方をふり返りました。義足のことです。そのときふとこう思いました。

小学生新聞には毎日パラリンピック選手が紹介されて、街中にはこうしてたくさんのポスターで紹介されていました。こんなふうに多種多様な人の姿を目にして、「違い」にどんどん慣れていって欲しいと。それに例えば義足をカッコイイと思って、ひょっとすると義足作りの技師になりたいと思うかもしれません。本来、私たちはたくさんの「違い」に囲まれて生きている筈です。違いがある方が自然なこと。違いを知れば知るほど、認めれば認めるほど、ひとりひとりの可能性も夢も広がることでしょう。私にとってパラリンピックはオリンピックとは別の、ともするとそれ以上の意味のある世界スポーツ大会かもしれないと思いました。(Anne)

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