2016/07/30

心ふるえる絵本

夏の海

7月もあと数日となり、いよいよ夏本番ですね。私はフランスで育った年月が長いので、つい、8月は休暇のイメージがありますが、お盆も休めるか否かというのが日本の仕事人の現実。でも、私としては、8月は仕事をしても気分はバカンスで、心は海や山に奪われています。実は、そうやって気分を散漫させないと、私は夏を乗り切れないんです。なにせ暑さに弱いんですから。サマードレスというアイティムは好きで着たいけど、それを着るために必要な気温「摂氏30度」が苦手。気温が40度近くもなると、幽霊みたいになってしまいます。それでもって、そういう時の乗り切り方は、もうひとつあります。南米産のドロッとした赤ワインをキンキンに冷やして、氷を浮かべて飲むんです。なんで赤なんでしょうね?でも そうしたくなるんです。

さて。雑談はこの辺にして。7月中に小学校2校で読み聞かせをした本などをご紹介します。

1冊目は、『スイミー』(レオ・レオニ・作/谷川俊太郎・訳/好学社)。これはもう、ベタというか、絵本の代表格ですね。近所の学校の1年生に読みました。みんなが知っているだろうけれども、それでも、当然、たまたま、通らずにきた子もいるわけで、私としてはどうしても夏休み前に、よりいっそう子供たちが海や川遊びを楽しめるように、いろいろとイメージが膨らむといいな、と思って選書しました。しかもある図書館司書さんは、「すでに何度も読んでもらった子も、知っている本を読んでもらうのを喜ぶし、読み手が変わるとまた新しい読み方ができて新鮮だと思いますよ」とおっしゃっていた。それに勇気づけられてあれこれ迷わず、『スイミー』にしました。ちなみに、このお話、以前読んだときは、小さなお魚が他の仲間たちと協力しあって、強くなって、大きな魚を追い出すといった成長物語で、協力し合うことが大事だというのがメッセージだと思っていました。ところが、読み聞かせのために練習していると、どんどんこの絵本の別の魅力が見えてきました。スイミーという小さな魚が、ひとりぼっちになってしまい、とっても心細い思いをするけれども、徐々に海の中の素敵で楽しいものたちと出会ってゆくんですが、そうした「生きる喜び」を感じてゆく描き方が素晴らしい!読めば読むほど、私はスイミーと同じ気持ちになって、「水中ブルドーザーみたいな」伊勢海老に「わお!」と思ったり、「ドロップみたいな」若芽にときめいたりしましたよ。

次に、ウチの子の小学校で読んだ『おこだでませんように』(くすのきしげのり・作/石井聖岳・絵/小学館)。

おこだでませんように

丁度7月7日だったので、七夕にまつわるお話にしようと選びました。選んだのはいいけれど、練習してる最中は、なんどもなんども泣けてしまって上手くよめずにいました。でも本番は緊張していたせいか、間違いもせず、泣き出しもせず、まぁまぁ上手くいきました。私の超下手くそな関西弁の読み以外は。そうです。これは関西の言葉で綴られた、いつも怒られてばかりいる1年生の男の子の物語です。怒られるのは嫌だし、本当はいい子だねと言われたいんだけど、自分の思いが周りの流れと上手く折り合わずに怒られてしまう。どうかおこられないようにという思いを、習いたてのひらがなで短冊に一生懸命書いたら、願いが叶ったという展開です。この男の子に共感する子はめちゃくちゃ多いと思いますし、大人の方も、その不器用で一生懸命な思いに心震えてしまいます。

あと、もう一冊。8月に入る前に、是非読みたい絵本は『へいわってすてきだね』(安里有生・詩/長谷川義史・画/ブロンズ新社)。

へいわってすてきだだね

絵はお馴染み長谷川義史さんですが、文の方はなんと、当時6歳だった沖縄に住む少年の詩です。子供の純粋な目で表現された「平和」のイメージに、グワッときます。「へいわってなにかな。ぼくはかんがえたよ。(略)ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる。(略)ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく」。長命草とは、沖縄のセリ科の植物で、与那国馬は文字通り与那国島に生息する馬だそうですが、こういうシンプルな視点こそが、なによりも平和を物語るうえで大きな説得力を持っているなと打ちのめされました。是非、手にとって見てみてくださいね。

(Anne)

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