2016/05/25

小さい春

東京のこの頃は五月だというのに真夏みたいに暑いですね。こうも暑いと春をじっくり愛でてはいられず、気ばかり焦って夏休み計画など立てたくなります。

でもちょっと時間を巻き戻して、5月の大型連休中に見つけた「小さい秋」ならぬ「小さい春みつけた」話をしますね。

高原植物

『はなをくんくん』というルース・クラウス作、マーク・シーモント絵の有名な絵本がありますが、まさにそんな感じ。このお話は、雪景色の中、静かに冬眠しているクマやヤマネズミ、カタツムリやリスたちが、なんだか良い香りに気がついて、ふと目を覚まします。そして、くんくん、くんくん、と一斉に良い香りのする方へ引き寄せられて、みてみると、真っ白な雪景色の中に、ポツンと黄色い花を見つけるんです。そして、笑だし、踊り出します。小さい春を見つける喜びが伝わって来る作品です。

さて、私はというと、久しぶりに山荘に行ってきました。(夏仕様の山荘なので、冬場は締め切ってまさに冬眠させてるんです。)山荘にお昼頃到着して、雨戸を開け、ひんやりと冷たい室内に外の和らいだ空気を取り込む時に、フッと家が息を吹き返すような感じが好きです。家が冬眠から目覚めているんでしょうね。東京はすでに若葉が青々と生い茂っている頃でしたが、標高1000メートル付近のこの辺りは、ところどころ芽吹いたばかりの若葉が黄緑にも満たないクリーム色を輝かせているだけで、まだ枯葉に覆われた冬の印象が残っていました。ぶらぶらとお庭を散歩すると、少しだけ、ミツバとヨモギ、それに西洋ネギの一種が少し生えだしていて、その香りを嗅いだり撫でたりしながらお吸い物に入れようかな、とか、スクランブル・エッグに入れようかな、とか考えるのも楽しいんです。そうすると、その間から、本当に小さな小さなお花が顔を出していることに気付きます。小さな小さな花。ウチの場合、黄色ではなくて紫色の花ですが。スミレ、サクラソウ、クロッカスにムスカリ、それに名前も分からない野花たち。地面に顔を近づけてみないと分からないぐらい小さいのですが、それぞれ密かに春の訪れをアピールしていました。そういうとき、私は「あ、小さい春みつけた!」って、ちょっと笑顔になります。本当は『はなをくんくん』の動物たちのように踊り出したいぐらいなんですけどね。

こんな景色もつかの間、次に来るときは草木も青々成長して、運が良ければ一面ツツジとシャクナゲ、または一面マーガレット、という庭が出迎えてくれます。というわけで、その都度表情を変える山荘の庭景色。次はどのタイミングで行こうかな。

(Anne)

スミレ

スミレ。ひっそりと咲いていました。

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サクラソウ。東京のお花屋さんで見るサクラソウよりもずっと地味。でもかわいいですよ。

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ヨモギの若葉の間に、野草の小花。雑草の一種ですが、よく見ると綺麗な形をしています。

野草2

これも別の野草花。小さすぎて上手く撮れてませんね。

はなをくんくん

『はなをくんくん』(文:ルース・クラウス、絵:マーク・シーモント、訳:きじまはじめ、福音館書店)

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