2015/11/30

フランス人の、急がば歩け!

そろそろ12月。なにかと忙しいこの時期は、やはり「師走」と言われるだけある。これは当て字なのだそうだが、意味は「師」といわれるような偉い人までもがバタバタと走り回るくらい忙しい、ということらしい。一方私は、12月でなくてもバタバタと走り回ることが多い。「師」じゃないからね。先日も、1時間の間に、ポストに投函しに行って、銀行で振り込みをして、本屋に寄って、買い物を済まして、というプログラムをこなすために駅前をバタバタと走っていて、そしてふと思った。

子どもじゃあるまいし、みっともないのでは?

そもそも、あぶないし、人迷惑だわ、と。そこで気持ちを落ち着かせてから、ゆっくり歩いて用事を済ませることにした。ちょっと違うけど、「急がば回れ」って言うじゃない?そしてエレーヌというフランスの知人が頭をよぎった。そういえば、フランス人は走らない。

そう、走らないんです。どんなに急いでいるときも、絶対に路上を走らない。もし走っている人を見かけたら、それは全くもって珍しい、緊急事態ぐらいのことだと思う。

まず、日本の時間の感覚に比べれば、彼らは至って時間にルーズ。約束の時間ぴったりに到着することは珍しいし、10~15分の遅れは、遅れたうちに入らない。おまけに、そもそも気質の違いから、遅れて申し訳ないと思う気持ちが、日本の人より薄い。言い換えれば、マペース、落ち着いている、余裕がある、といった印象を私は受ける。もちろん、どっちが良いとかの話ではないけれど。

たとえば、日本の感覚でいくと、こうだ。

渋谷のハチ公前で友達と17時に待ち合わせ。ところが少し遅れそう。3分ぐらい。メールで一言伝えてから、待ち合わせ場所に向かう。すると、向こうのほうにすでに到着している友達を見つける。ハッ!申し訳ない、急がなきゃ!たかだか10mの距離でも、自分の立場が仮に上だとしても、小走りをしませんか?走ってみせることが相手への気遣い。そのぐらいの感覚じゃないですか?そして、会ってまず最初に「ごめんねー、ほんと、遅れてごめんねー!申し訳ない!あとで一杯ご馳走するね!」って言うのは私だけではない筈。

ところがそんなときでも、フランス人は絶対に走らない。知人のエレーヌもしかり。15分遅れでも、30m先でも、12月でも優雅にゆっくり歩いてきて、第一声に「ボンジュール。元気?私は元気よ。会えて嬉しいわ」。走るなんて美学に反するとでも言いたげに。そしてしばらくしてから、軽く「待たせてごめんなさいね。」と言う。こんな時、うっかり日本流に「ごめんねー!!」を第一声でいうものなら、きっと相手は傷付いてしまうだろう。「私に会えて嬉しくないの?」と。フランス人はそう思うらしい。美しくあることと、喜びを表現することが、フランス流の気遣いだと私は思う。

私も少しそんなところは見習ってみても良いかなと思った。そもそも、走ったって時間はさほど縮まらないだろうし、うっかり転んで骨折なんてことになっては元も子もない。来る12月、「急がば回れ」とまではしなくても、「急がば歩け」を念頭に動こうかな。どんなに忙しくても。。。(Anne)

ゆっくりがいっぱい/ok

『ゆっくりがいっぱい!』(偕成社)という絵本がある。『はらぺこあおむし』で知られるエリック・カールの作品。たくさんの動物達が、ナマケモノの、ゆっくり、のんびり、おっとりとしている姿を見て不思議に思う物語。私たちはもしかしたら慌ただしく過ごしすぎているのかもしれない。たまにはナマケモノのように、急がないのも大切。

 

記事一覧を見る

大人のおしゃれ手帖ブログ 更新情報を受け取る

大人のおしゃれ手帖ブログ
更新情報を受け取る

Twitterでフォロー

RSSで購読

RSSファイル

follow us in feedlyfeedlyで購読

メルマガを購読