2015/07/10

ヘビイチゴ酒

子供の頃、よく祖母と野山を散歩すると、草むらからチラホラと赤い可愛い実を見かけることがあった。祖母にきくと、「ヘビイチゴよ」と。イチゴなの?思わずつまんで口に入れたい衝動にかられて、ふと思い留まったのは、ヘビとつく名前に引っかったからだ。食べられるの?それともヘビが食べるイチゴなの?毒はあるの?と質問しても、「そうねぇ、そうかもねぇ」という曖昧な返事。そして、「食べちゃだめよ」と祖母は付け加えた。なぜ食べてはいけないのかは、全くわからない。ただ、祖母の教えに反発するほどの強い冒険心も知識欲も持ち合わせていないタイプの子供だったから、とにかく教えられるがままに言うこと聞き、今に至るまで、毎年毎年ヘビイチゴを見つけては、かつての言いつけを堅守して食べないどころか触れさえもしないできた。だって、毒だもの。そう、思い込んで。

ところが、先日こんなことがあった。またウチの山荘で過ごしていると、近所のマダムが声をかけてきて、「イチゴをいっぱいお庭に植えたから、そのうち食べれるわよ」とフルーツ好きのウチの子に声をかけてくれた。ウチの子は、「へぇー」と喜んでるのかそうでないのか地味な返事をしたのち、「ヘビイチゴならウチのお庭にあるよ」と加えた。マダムは、「あら、ヘビイチゴ?あれ、知ってる?あなた、ブユに刺されない?」と今度は私の方を見て、そして、教えてくれたのがヘビイチゴ酒だ。

ヘビイチゴを焼酎に漬けておくと、ブユに刺された時の特効薬になるのだそう。あっという間に腫れとかゆみが引いたのだと、そのマダムは刺された手を見せてくれた。確かに痕がかすかに残っているだけだ。それに、あの怪しい小さな赤い実は、触っても大丈夫なんだということも知った。

ブユなら、山荘の庭仕事の最中に何度も刺されて、嫌な思いをしている私。つい夢中になって剪定していると夕方になってしまい、そんな時が一番危ない。防虫しきれていないところ目掛けて、チクッとやられてしまう。良いことを教わったと思い、ヘビイチゴを生まれて初めて摘んでみた。

小さな赤い実は、触ってみると苺のイメージとちょっと違った。白くて丸いスポンジのようなものに赤いプツプツがついている。しかもその粒は簡単にポロポロ取れる。あと、「ヘビ」とつくけど食べたって死にはしないらしい。要するに、毒はない。とはいえ美味しくもない。ところが毒にも薬にもならないような実でもなく、実のところ、しっかり薬になってくれる。

だもんで、庭に何千個と生っているヘビイチゴを、今までは横目で睨んでいたが、急に可愛がるようになった。

ホワイトリカーに漬けて、特効薬ができるのが楽しみ。こうなったら、ブユに刺されなきゃ効果を試せない。おーい、ブユよ、どうか私を刺してくれ!!

なーんて、もちろん、そうは願いませんけどね。(Anne)

ヘビイチゴ摘み

ヘビイチゴを初めて摘んでみました。

ヘビイチゴ酒

ホワイトリカーに漬けてみました。薬として使えるのは、数ヶ月後、なのかしら?

 

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