2017/05/29

最近の大ヒット絵本3冊

今日、ご紹介したいのは、『りんごかもしれない』(ブロンズ新社)、『とてもすてきなわたしの学校』(童話館出版)、『ロベルトのてがみ』(好学社)の3冊。

いずれもウチの子(小2)の、最近の大ヒット絵本です。

『りんごかもしれない』は作者ヨシタケシンスケのデビュー作にして、MOE絵本屋さん大賞をはじめ数々の絵本大賞を受賞したにふさわしい、老若男女問わず好まれそうな、傑作です。主人公の男の子が学校から帰ってくると、ダイニングテーブルの上に赤いりんごがポンと置いてある、という極めて平凡な生活のワンシーンから始まります。だけど男の子はそこで、ひょっとしたら「りんごじゃないかもしれない」という考えが浮かびます。そこからが、想像の大旅行。「りんごではない」可能性の奇想天外な物語が繰り広げられ、そのナンセンス、ありえなさに、笑い転げてしまいますが、そもそも、こういう思いもよらない発想こそが、発明や発見につながるわけですよね。まずは今、目に見えているものや、当たり前と決めつけていることを疑ってみようよ、とも取れるメッセージには、言葉にならないほど共感しました。結局、主人公がダイニングテーブルで見たものは、「りんご」だったようですけどね。

次に『とてもすてきなわたしの学校』ですが、これも奇想天外な発想のオンパレードで子供もゲラゲラ笑ってしまいます。どんなことを学校で教わるべきか、という作者ドクター・スースらしいユニークな見解が、私たちが持ってるいろいろな固定観念やしがらみ、窮屈さ、などから解放してくれて、頭がどんどん柔らかくなるような作品です。そもそも、映画『グリンチ』(ジム・キャリー主演)の原作者ですからね、かなりのブッ飛び様なのはお分かりかと思います。

このドクター・スースが「推進する」学校は、『なんでもスクール』というところで、自由でおおらか、ネーミング通り、なんでもOKというところです。先生方から教わることといえば、大声でわめくことや、小鳩にどうやって胡椒をかけるかということや、空を飛びたいカバがなぜ飛べないか、などなど。子供達はこの学校が大好きです。ところがある日、学力テストを受けないといけないことになります。子供達の成績が良くないと「なんでもスクール」は壊され、陰気で牢屋のような「従順スクール」に送り込まれてしまうかも、という危機にさらされます。さて、どうなるでしょうか?なんでもスクールの子供達の学力はどうだったと思いますか?

そして最後の一冊です。『ロベルトのてがみ』。あの、控えめな絵と可愛らしい物語で有名な『もりのなか』や『わたしとあそんで』の作者、マリー・ポール・エッツの、小学生向けの作品です。絵はより一層地味で、そのせいか、ずっとウチの子に避けられて本棚で眠っていたのを、めげもせず私はまた引っ張り出してきて、「これ読もう」ともう一度誘ってみました。10数回目にして、やっとOKされましたが、これがなんと時を待っていたと思えるぐらい、タイムリーだったんです。

メキシコからアメリカに移住してきた一家には、ロベルトという小さな男の子がいました。兄弟に遅れてまだ英語ができず、いろいろな思いが伝わらないため、いつも叱られるようなことばかりしています。でも、少しずつ周囲の理解と協力によって、英語を自分のものにしていき、大切な人に大切な思いを伝える手紙まで書けるようになるといった、ロベルトの成長物語です。どうやら、ウチの子は、最近めっきり叱られなくなったことや、英語を学び始めたことなど、自分と上手い具合に重なったらしく、読み終えるととても満ち足りた様子でした。それと、作者自身が、絵本作家という以前に、社会福祉事業の専門家だということを初めて知りました。本作品は、サンフランシスコで貧困地区の援助活動をしていた経験が大きく反映しているようで、登場人物の背景や気持ちの描写がとてもリアルで繊細です。わたしはこういう「社会派」というような絵本もとても好きですね。視野が広がることは心の豊かさにつながります。それは他人に対してより寛大になれて、自分の心も平和になりますよね。ただし、作品のメッセージが偽善でなければ、の話ですが。

(Anne)

2017/05/18

せっそんです

21日までなので急ぎでアップします。

『「ゆきむら」ではなく、「せっそん」です』というコピー。これは水墨画の雪舟のほんの少し後の時代に生きた画家で、雪村と書いて「せっそん」と読む人の作品展の告知に使われているものです。東京芸術大学大学美術館、要は芸大の中にある美術館にて、5月21日まで開催していますが、とても面白い展覧会でした。

http://sesson2017.jp/index.html

そもそも、目下歴史ブームのウチの子が、とある日、雪舟の人物像を語ってくれたことがありましたが、丁度その翌日かの新聞にこの雪村展が紹介されていて、雪舟じゃなくて雪村?と思ったのがきっかけです。なので雪村展に興味を示すかと思って誘ってみると、嫌だと。雪舟自身には興味あるし、浮世絵ファンなので絵は嫌いじゃない筈なのに、水墨画にはどうやら興味がないらしい。それでも、ウチの子を引きずって鑑賞に付き合ってもらいました。ちなみに、本人は、今たまたま歴史が好きなだけで、本当に好きなのは生物だと断言しています。

さてこの雪村展、じつにユーモア満載の楽しい展覧会でした。且つ無茶なポーズと豪快さも面白い作品ばかりで、時代を先取りしたようなモダンな画風に驚かされます。

初期の頃の、強風を描いた風景画がありますが、絵そのものがガクンと左のほうに倒れてしまいそうな感覚を覚える力強さ。

それから生き物シリーズも、猿や蟷螂などの表情は、漫画みたいに愉快で愛嬌があります。

また、龍を描かせれば、いきなりグワッと天に昇っていきそうな恐ろしいようなカッコイイような勢いを感じますし、布袋に関しては、即福が来そう、というくらい良い表情をしています。

解説も分かりやすく、雪村の世界に引き込んでくれます。

21日までなのでもうあまり日はないですが、滋賀のMIHO MUSEUMで8月1日~9月3日の期間開催されるそうですので、逃した方はこちらへ。

http://sesson2017.jp/outline.html

というわけでお知らせまで。

(私は忘れないように新聞の切り抜きを手帳に貼りました。)

(Anne)

2017/05/12

a-ha、ふたたび

とうとう買ってしまいました。

 

いまさらですが、2015年にリリースされたa-haのニューアルバム『CAST IN STEEL』です。2年間限定でのグループ再結成とのことですが、それを知ったのはつい最近、GWなのですもの。

本当は、私はといえば、音楽はほぼオールジャンル聴きます。でも正直、近年は以前ほどじっくり聴く時間がなく、たまにあったとしてもクラシックばかりに偏っていた気がします。しかもほとんどピアノ演奏曲。もっと言うと、もっぱら、イーヴォ・ポゴレリチかフジコ・ヘミングのショパン。たまにグレーン・グールドのバッハ。オールジャンルを聴いていたというのが嘘なくらい選曲がタイトになっていました。

ところがこのGW、思いがけずイーヴォ・フジコ・グレーンの三角地帯から脱出することになりました。高速渋滞さえなければこんなことにはならなかったわけですけどね。

GW初日、山荘めざして早朝出発しましたが、すでに下りの高速は渋滞でした。山荘までのたかだか160キロの距離を8時間もかけて到着したほどですもの。これにはウチの坊主が車内でいつ発狂するかヒヤヒヤしましたが、幸い歴史ブーム只中。後部座席で黙々と読書と、車酔いもおこさずに静かにしてくれたので助かりました。子供がおとなしくしてるので、大人の方は退屈しのぎに、昔を思い出して思う存分ナツメロ大会をしたわけです。YOUTUBEをナビに、80年代のユーロビートへ突入すると、話題は、あの、『Take On Me』の世界的なヒットで有名になったグループ、a-ha一色になりました。

a-ha、覚えてますか?

日本ではどうやら、一発屋、イケメンアイドルグループというイメージがあるようですが、当時私が暮らしていたパリほか、ヨーロッパでは、『Take On Me』以降も数年~10数年は絶大な人気があり、今も根強いファンが多いくらいなんです。南米でもライブ動員数でギネスブックに載る程です。さらに、U2やコールドプレイなど相当なビックアーティストからもリスペクトされているそうで、ルックスの良さに翻弄されずにじっくり彼らの音楽性に聴き入れば、相当深みのある3人組だと感じると思います。少なくとも私は、改めてそう思いました。ただ、彼らがスターらしい「ちょいワル」風もふかさなければ、社会派のアングリーっぽさもなく、かといって極めてオシャレというわけでもないので、そのどこにも属さないクリーンな感じが当時の私には物足りなかったのか、特にハマッた記憶はありません。ところが、今こうして過去の作品を聴いてみると、彼らの存在そのものや音の、「不思議な気品」(と誰かが書いていましたが、まさに!)と透明感に驚かされます。モートンの骨太な低音からファルセットまで歌いこなすヴォーカルは、まぎれもなく天才的ですし、詞の方も、解読が難しいですが、分かるとポールは天才詩人かと思うくらい深いです。ギターを弾くポールの控えめな佇まいも美しい。ちなみにキーボードのマグネは、モートンのようなロマンチストでもポールのような芸術肌でもなく、愉快で一番現実的?地に足のついた人というイメージです。年齢を重ねるほど、かっこよくなっていると思うのは私だけでしょうか?

というわけで、a-ha漬けになったついでに、2010年に解散したのち、2015年に2年限定で再結成されたa-haのニューアルバムを買ってみた、というわけなのです。

さて、この『CAST IN STEEL』ですが、どういう意味?と思いませんか?こちらにヒントが載っています。↓

http://ameblo.jp/boomooo/entry-12067302501.html

石のように冷え切ったぼくらの心に、熱い鋼鉄を流し込んで情熱を取り戻そうよっていう感じのようです。この歌はグループの再生を歌ったものなのでしょうね。詞の重厚感。それに反比例するようなメロディーのしなやかさ。そしてどこまでも伸びるモートンの美声。とことん歌で聴かせる80年代のいいところをキープしつつ、酸いも甘いも噛み分けた後の、大人らしいアルバムに仕上がっていると思いました。今すぐノルウェーにいきたいぐらい、、、。

(Anne)

動画リンク:

『CAST IN STEEL』

そして懐かしの『Take On Me』

 

 

2017/04/23

つかのまの、春の楽しみ

親戚の家でお花見会をしたときのことです。

クリスマスローズは、冬を名残惜しむかのように壁に飾ってありました。

お花見と勇んだものの、残念ながら、お庭の桜はまだ開花しておらず、食べる方の桜で満足しました。

結果としての、花より団子。桜餅に道明寺にヨモギの草餅。道明寺というのは、桜餅の関西風の呼び名だそうですが、作り方は随分違いますよね。三人ぐらいの持ち寄りでこうなりましたが、こうしてみると、和菓子屋さんによって、大きさ形さまざまですね。でも、頬張る前に、皆そろって和菓子の中の桜の美しさを、ちゃんと愛でましたよ。

メニューの方も春一色。蕗、蕗の薹、あさり、そら豆、分葱、うど、若布、アスパラガス、筍などの和え物や揚げ物が並びました。今の時代、年間を通して、夏野菜や冬野菜がスーパーに並ぶので、季節をあまり意識しなくても食べ損ねることはないですね。でも、春だけは別。春の旬野菜は、野菜コーナーに並んだかと思ったら、瞬く間に姿がなくなり、時期を逃してしまうことが多くないですか?傷みやすいからでしょうか。蕗や筍は下ごしらえが面倒だからとまごついてると、食べ損なってしまいますし、せめてうどぐらい、と思っても、ウチでは私しか食べないしなぁと、悩んでいる間に逃してしまったり。それに、香りや苦みやクセを楽しむこのころの野菜は、家のなかでも好き嫌いが分かれやすいものだと思います。なのでこうした集まりがあると、作りがいを感じて従姉妹が腕をふるうのでした。

さて、桜の方は翌週、いきなりバッと咲いて、咲いたと思ったら、数日後から雨続き。あっと言う間に路面が花びらだらけになってしまいました。

春の楽しみは本当につかのま。悲しいような気もしますが、一方で、想像してみてください。ソメイヨシノ並木が、一瞬ではなく、常に満開だったら。ありがたみがないどころか、少し鬱陶しいかもしれませんよ。あっという間に散って、葉桜で満開時の余韻を楽しみ、あれよと言う間に青々としてくれ、毛虫でいっぱいになる。秋には赤や黄色に染まるソメイヨシノの、万華鏡のような変化だからこそ季節の楽しみをもらっている気がします。

「さまざまの事おもひ出す桜かな」松尾芭蕉。

色々な事を思い出させてくれる古里の桜を詠ったものです。

この新書に載っています。講談社の『芭蕉さん』(俳句:松尾芭蕉、絵:丸山誠司、解説:長谷川櫂)という絵本です。子供も大人も、無知熟知を問わず、元気いっぱいの絵と親しみやすい解説に、俳句再発見の面白さがあります。

あわせて春の絵本3冊です。

左から。『根っこのこどもたち目をさます』(童話館出版)。訳が石井桃子女史なので、流れるような読みやすい日本語です。絵は、ジビレ・フォン・オルファース。ミュシャの絵を思い出すような構図で、繊細なタッチが美しい。はるの訪れを、妖精に演出させてるシンプルなファンタジーです。読んで聞かせるなら年中さんぐらいからでしょうか。

次に『マウス一家のふしぎなさんぽ』(童話館出版)。女の子がきっと好きになるだろうという一冊です。おかあさんねずみとの約束で、こどもたちは森にベリーやお花や葉っぱを集めにいく様子が可愛らしい。簡単な図鑑のようなページもありながら、読み終えたころにはすっかりおままごとがしたくなるような想像力お掻き立てられるお話です。

最後に『せかいいちうつくしいぼくの村』(ポプラ社)。一面の桜の木で始まります。アフガニスタンにある、のどかな田舎の村のお話で、私のイチオシです。アフガニスタンは、もともと豊かな森や草原があり、春になればたくさんの花が咲き乱れ、初夏にはさくらんぼやすももが実る、豊かさ溢れる国だったそうです。少年の一日を淡々と追う物語ですが、その、素朴でで平和で、自然が豊かな暮らし振りが存分に描かれています。市場での一日を過ごした少年は村に戻り、新しく家族になった子羊に「春」と名付けます。翌年の春を待ちわびながら。しかし、ネタバレですみません。春はもうやってこないのです。これは小学生から大人向けです。

というわけで4月の更新が遅くなってしまいましたね。次回、がんばります!

(Anne)

2017/03/31

白馬の男料理

春スキーをしに、白馬に行ってきました。友人の素敵な山荘に招かれて。私にとっては理想的なバケーション!

お天気に恵まれて、ゲレンデは広々、コースも長くて気持ちが良かったです。

山荘の窓の外も雪景色。

暖炉に火を焼べて、部屋のなかはポカポカしています。

さて、この暖炉、部屋を暖めるだけでなく、調理場にもなるんです。

招いてくれてた友人は、仕事もバリバリ、スポーツもバリバリ、おまけにイクメン。奥さんに代わって、メチャクチャ美味しいお料理を周囲に振舞ってくれる、スーパーマンです。私とウチの子は、3泊4日、ワイルドでオツな男料理を堪能させてもらいました。主人も来れたらどんなに喜んだだろうと想像しながら。

ご紹介します。ある晩は、こんな感じ。

暖炉でTボーンステーキをガツンと焼いて、それからオーブンでじわっと中まで暖めます。

サイドディッシュには4束分の菜の花。茹でて、そのままお皿にドン!豪快です!テーブルには、様々な調味料が並び、それぞれ好みの味付けにする。子供達はマヨネーズ。

じゃがいものガレットも作ってくれました。キッチンのガス台は、プロ仕様のものが設置されていて、焼き加減も最高です。最後にやっぱりオーブンにいれてチーズを溶かしていましたね。ちなみに、この友人、飲食でもなく、クリエイティブ系でもなく、全く関係のない職業をしているんです。

またある晩はこんな風です。

清潔にしてピカピカのシンクに粉を散らします。

子供達も寄ってきて、お手伝いしたくてウズウズしています。

ポン、とピザ用の生地が置かれました。

それから伸ばして、トッピングして、、、。

オーブンで焼きあがったら、杉の木材の上にドーン!

もちろんピザソースもお手製です。プロ仕様のガス台で煮詰めていました。

あと、サラダ。私もお手伝いせねばと、これは私が作りました。プチトマトの小皿は子供達用です。

あと、おまけ。

牛肉100パーセントのハンバーグ。みじん切りの玉ねぎやにんにく、人参などと一緒に捏ねて、暖炉でジュウジュウと焼いてからオーブンへ。そしてお皿に、ボン!

ダイナミックで美味しい男料理でしたよ。ほんと、感謝です。

(Anne)

 

 

 

 

 

2017/03/20

コピ・ルワック

コピ・ルワック

みなさんは紅茶とコーヒーのどっち派ですか?

私は無類の紅茶好きで、毎朝どんぶり一杯分ぐらいのミルクティーを飲み干します。この習慣は学生の頃からですが、最近はその後、午前中に、一杯のコーヒーを飲むことが多くなりました。

コーヒーを飲むと食欲が失せるので、一時はダイエットの味方として飲んでいた時がありましたが、それはさすがに不健康でしたね。それ以降、何年もの間、コーヒーをすすんで飲むことはなかったのですが、今コーヒー付いているのには訳があるんです。

友人に、後進国の農業支援で世界中を飛び回っている人がいます。律儀な性格なので、いつも東京に来ると各国の特産物を手土産に持ってきてくれるのですが、彼の手から渡される食べ物はすべて美味しく、品物は気が利いたものばかりなのです。そんな彼がブラジルからの手土産だと言って持ってきてくれたのが、コーヒーでした。しかも気前が良いので、大量の。確かにブラジルといえばコーヒーですよね。生産量は世界一、全体の3割は占めていますから。でも紅茶派の私は、手土産を受け取って飛び上がるほど嬉しかった、とは言い難い気持ちでした。

一方、この彼はコーヒー一徹。某コンビニの100円ブレンドさえ美味しそうに飲むその姿を見たら、なんだか私もコーヒーが飲みたくなてしまった訳で、そして頂いたブラジリアン・コーヒーを淹れてみたんです。その美味しかったこと!早速、その彼に感想を伝えると、今度は三軒茶屋にある贔屓のコーヒー店から、ウガンダのコーヒーを買ってきてプレゼントしてくれました。そのまた美味しかったこと!甘いチョコレートのような、なんともいえない香りがして感動的でした。それからというもの、私は頑固な紅茶派にはかわりありませんが、午前中、一杯のコーヒーを楽しむ習慣も持つようになったわけなのです。

(三軒茶屋のコーヒー店、OBSCURA→http://obscura-coffee.com)

そこで、ですが、コピ・ルワックってご存知ですか?

そんなこんなでコーヒー付いたわけなので、インドネシアのお土産に、はたまたコーヒーをリクエストしたら、コピ・ルワックを持ってきてくれました。私は単純に普通のコーヒーだと思い、さらりとお礼を言ったら、ちょっと待ったの声。インドネシアの超高品で、ジャコウネコの糞から取れる末消化コーヒーだそうです。インドネシアでは、コーヒー農園で栽培されているコーヒーノキの果実を狙って、マレージャコウネコが漁りにくるそうです。ただ、お目当ての餌は果肉で、種子の方は消化されずに排出されるのだそう。それを綺麗に洗浄して乾燥させたのちに、高温で焙煎するのだそうです。コピ・ルワックを飲む前に、この話を聞かされたので、一瞬気が引けましたが、思い切って飲んでみることにしました。

それが、なんとまぁ、すごいです!驚くほど複雑な香りと味わい!日本では一杯6000円もするとかいう話もあり、分からなくもないです。

ちなみに、このコピ・ルワックが入った箱は、パッケージデザインにジャコウネコの写真が載っているものでした。なにげなくダイニングテーブルに箱を置いておいたら、ウチの息子が目ざとく見つけ、叫びました。「うわぁー!すごい!ジャコウネコの糞から取れるコーヒーだ!」

私が知らなかったものを、なぜ、7歳児が一目見て分かるのだろう?

聞けば「図鑑で見た」とのこと。自慢ではありませんが、さすが、歩く博物館です。

(Anne)

2017/02/28

別れの季節とお餞別

もうすぐ三月。別れのシーズンでなにかとしんみりする時期ではないでしょうか?先輩や恩師との別れ、仲良しのお引越し、旅立ちを見送る親、などなどいろいろな立場の人がいると思いますが、そんな時のお餞別ってどうされてますか?

物が溢れる今の世の中、場所をとる物はご迷惑でしょうし、甘いお菓子もダイエットや体調のことを考慮すると控えた方が気が利いている。お引越しともなれば物より送料負担してほしいぐらいかもしれないし。でもかといってお金は、、、。

お餞別にはほんとうに悩まされますが、昔、外国へ転勤されるご家族に友人とお箸のセットを差し上げた時があって、それは名案だったなと思っています。

そんな折、お餞別のことはさておき、いつものように図書館に読み聞かせの絵本選びに行ってきました。すると、ふとこんな絵本が目に入りました。『ヤマネコ毛布』(作・絵/山福朱実)。

ヤマネコ毛布

開いてみると、一枚一枚額縁にいれて家中に飾りたいぐらい私好みの素敵な版画の数々。早速借りて読んでみました。

ある日、ヤマネコが森を出て行く決心をします。

ヤマネコもうきめた

森の動物たちはヤマネコとの思い出をそれぞれ刺繍にすることにします。

楽しい思い出、不思議な思い出、悲しい思い出、嫌な思い出、様々です。

トラは一緒に爪研ぎの思い出。

ねこの仲間どうし

オオカミは一緒に歌った思い出。

オオカミ遠吠え

ウサギはせっかくのプレゼントを喜んでもらえなかった思い出。

うさぎ悲しい

それぞれ出来上がった刺繍をパッチワークみたいに縫い合わせて、大きな毛布を作ります。

森のみんなはヤマネコにこの毛布をお餞別に渡します。

毛布にくるまって

ヤマネコは旅立ったあと、森の思い出たっぷりの毛布にくるまってぐっすり眠るというお話です。

ポストカード

しかもおまけ付き。切り取ってつかうポストカードで、動物たちの刺繍の写真です。

シンプルだけど、素敵なアイディアが詰まった作品だと思った瞬間、あ、これ別れの季節にぴったりのお話だから地域の読み聞かせにも使えるけど、お餞別にしてはどうかとも思いました。

版画がとても素敵だし、お孫さんがいらっしゃる猫好きの方なら、なおのこと。

そこで、手に入るのか検索してみると、、、。絶版のよう。

ショック!残念!出版社は復刊ドットコムなのに!初版は2015年、つい最近なのに!

というわけで、この作品は今のところ無理ですが、絵本も相手によっては大人でもお餞別になるものだなあ、と思いました。でも、気は心ですけどね。

あと、もう一冊。これは世にも悲しい物語。こんな悲しい話は読んだことない、と思うくらい救いのない話です。

大人向けの絵本ともいえますが、実際人生の酸いも甘いもたくさん経験した大人には重過ぎるかも。

むしろ、これから色々体験するだろう小学生とかの疑似体験として、もしくは深い悲しみにふれて心のボリュームを膨らませるための本として機能するほうが合ってるかもしれないですね。

作者はあの、宮部みゆき。『ヨーレのクマー』(角川書店)。

ヨーレのクマー

『悲嘆の門』(毎日新聞社)作中作がもとになった絵本です。いずれにしても私には悲しすぎて、一回しか読めませんでしたが、みなさん是非一度手にとってみてほしいですね。

(Anne)

2017/02/14

音楽のような外国語

今日はバレンタインデーですね。私は今年も我が家のメンズに用意しました。

2017バレンタイン

うちの主人には『レオニーダス』。綺麗な箱に入った12個入りもよかったのですが、ウチは量が多い方だなと思い、スタンダードの14個詰めにしました。坊主には『Mary’s』のピーターラビット・チョコ。この頃になって、『ピーターラビットの絵本』(福音館書店)の、絵の美しさ&お話の可愛さに気づいたようです。

ピーターラビットのおはなし

ところで。

唐突ですが、みなさんは英語ができますか?日本も英語教育を小学校に導入することになったり、幼児からの英会話や英語保育なども盛んになってきていて、数年後はこんな質問することすら野暮というくらい英語が浸透するかもしれませんね。ところが私に至っては、時代に相応しくなく、英語と聞くだけで硬直してしまうぐらいできません。フランス語の方は、まあ、できます。ということで名誉挽回させてください。

私のように「英語」を聞くと、もしくは外国の人を目の前にすると途端に硬直してしまうという人は、少し前の日本にはたくさんいたと思います。差別とか偏見とか、そういうことではなく、なんでしょうね、島国ならではの反応でしょうか?びっくりして固まる、そんな動物いますよね。それと同じ感覚のような気がします。

そんな私なのに、父はといえば、金髪&ブルーアイの絵に描いたような「外国人」。

昔、こんなことがありました。我が家の山荘でのことです。庭には、青い蛍光灯の外灯がぶら下がっていました。ある朝、人が門から入ってくるのに気付いた父が庭に出てみると、地元の組合員らしき風貌のおじさんです。父に、というか、父の金髪&ブルーアイに気がついたおじさんは、ドキッとするやいなや、その場で硬直。そのまましばらく呆然と父を見ていたそうです。父が、やや偉そうな口調とはいえ、流暢な日本語で、「なにか用ですか?」と聞いてみても無反応。しばらくしてようやく我に返った様子のおじさんは、自分の役目をふと思い出したらしく、庭の青い外灯を指差して、必死の思いで「バード!バード!」と繰り返したそうです。英語の「bird」です。父がいくら日本語で「どうしました?」と尋ねても、目の前の金髪&ブルーアイは英語で喋っているに違いないという思い込みから解放されないようで、バードバードと連呼するばかり。そのやりとりを窓から最初は面白がってみていた母は、さすがに気の毒になりだして、出ていくと、組合員の人は安堵した様子でやっと日本語で説明を始めたそうです。青い外灯は虫を殺してしまう。虫が減っては餌にしている鳥が減少するので、なんとか外灯を外せないか。というような内容のお願いで、野鳥保護の組合員だったそうです。

私はここまでではないのですが、街中で急に英語で話しかけられると硬直します。鼓膜にフィルターがかかったような感じになって、何も入ってこない場合が多く、ただただ、ニコニコしてみせるというパターンです。

その一方で私の耳に音がスイスイ入ってくる言語もあります。イタリア語です。意味はわからなくても、音の粒がポロンポロンと外れて、鼓膜に浸透する感じです。何時間でも聞いていたい音楽のような言語。フランス語が聞き心地の良い言語だとよく耳にしますが、イタリア語はまさに私にとってのフランス語です。

そこで、私の読み聞かせ報告ですが、先日、とても面白い体験をさせてもらいました。

「international book week」という小学校での特別週間で、英語以外の外国語ができる親御さんが、それぞれ得意とする言語で子供達に読み聞かせをするというものでした。私は、フランス語なら、と参加表明し、『バーバパパのいえさがし』を選びました。そのほかに、今回はタイ語、韓国語、フィンランド語があったそうです。大人の私も是非聞いてみたいと思うぐらい珍しい言語もありましたが、子供達も同様で、とても興味を持ってくれたそうです。私がフランス語で読んだときも、とても集中して聞いてくれて、読み終えると「早ッ!」「あっという間だったぁ~!」との声。音楽のように聞いてくれるようです。それぞれの言語がどんなものか、イメージしやすくもなりますよね。とても素敵なイベントだと思いました。(Anne)

バーバパパのいえさがし

私が子供のころから持っている『LA MAISON DE BARBAPAPA』。すっかり色あせてボロボロです。日本語に直訳すると「バーバパパのいえ」だけですが、翻訳の面白さは、できるだけ原語のニュアンスを残しつつ、それでもできるだけそれぞれの言語にしっくりくるような、自然な表現に持っていくかというところだと思います。この場合、「いえさがし」としたほうがずっと魅力的ですよね。

2017/01/31

真冬のサマードレス

湯たんぽ達

これは以前に『大人のおしゃれ手帖』でご紹介いただいた、私のあったかグッズ・湯たんぽ達です。この時期の必需品!

さてさて。寒い日が続いたのもつかの間、また4月並みの陽気になったこの頃、公園周りをウォーキングしていたら、まだ1月というのに花盛りの紅梅に出くわしてしまいました。ああ、お願い、せめて2月になってから咲いてくれよう、と寒い季節が好きな私は、早すぎる春の訪れを、見事ではあったものの、見なかったことにしたいぐらいでした。もう少しニットの重ね着したいしなぁ。もう少し、ムートンシューズ履いてたいしなぁ。好物の常夜鍋だってまだやってないし、恒例の『美々卯』のうどんすきだって食べに行けていない。それに何より、お布団に入って湯たんぽを足元で挟んで寝る極楽気分を、お願い、もう少し!と思いながらひたすらウォーキング。そして次に目にしたものは、これまた鮮やかなレモンイエローの菜の花!!確かに綺麗だけど、、、。もはや冬の終わりを告知されたみたいで、がっかりです。

というわけで、私は秋から冬にかけての寒い季節がとても好きなわけですが、ここでちょっと「撮影あるある」です。お洋服の撮影だと、季節の先取りをするので、真冬にペラペラのサマードレスの撮影があったり、真夏にカシミヤコートの撮影があったりします。しかも屋外で。この仕事をする前は、モデルさんってよくあんなことができるなぁ、私にはムリムリ、と思っていましたが、いざ自分の番になると不思議なもので案外平気。暑いとか寒いとかの感覚スイッチが、束の間ですがオフになるというのでしょうか。でもこれって、スタッフの皆さんのサポートあってこそできること。ロケジャンと呼ばれる大きなダウンコートを合間合間でかけてくれたり、ホカロンやひんやりグッズはもとより、ジェットヒーターで熱風を流してくれたり、団扇で絶え間なく仰いでくれたり、本当に感謝感謝です。そんなお力添えがあって乗り切れてますが、長丁場になるとさすがに寒暖に体が反応してきます。これって私だけ?

そこで、私は同業者によく聞くんです。「真冬の撮影と真夏の撮影、どっちが楽?」と。つまり、真冬にペラペラのサマードレスを着て、極寒の太平洋を背に、ふきつける木枯らしにも「ああ、気持ちがいい」の笑顔をするのと、真夏の炎天下、カシミヤコートを着て、熱風が押し寄せる都心の一角で、ホットココア片手に「ああ、あったまるぅ」と微笑むのと。さてどっち?みなさん「わかんない」「どっちも、かなぁー」「今は冬だから夏の方が楽な感じがするけど」などなど、と答えてくれますが、なんのその。現場では嫌な顔ひとつせず、涼しげにこなしています。みなさん、さすが。私は、といえば、冒頭で寒い季節好きをアピールしましたが、撮影に関しては逆。どちらかというと真夏のカシミヤコートの方が楽だと思っています。でもやっぱりこうも冬が短くなると、思いっきり寒さを味わえる「真冬のサマードレス」の恩恵を受けたい気もしますね。

ちなみに、私の祖父は、毎年1月に寒中水泳に出かけていました。だれも泳いでいない下田の海に、ザブッと飛び込み、80歳超が海水パンツ一丁でカエル泳ぎをしていると、必ずや遠方から怒鳴り声が聞こえたそうです。「死んじまうがなぁ~!あがってこいやぁ~」、とね。(Anne)

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