2018/03/30

『白狐魔記』が面白い!

確かに私は歴史が好きでした。日本史も世界史も。でも中途半端な私の知識なんぞ、日本史ブーム最中のウチの子に、あっという間に追い越されちゃいましたね。

そんなウチの子が先日持って帰ったのは、学校の図書室で借りてきたという、とある本です。「面白いよ」と勧められて、私も追っかけるように読んでみると、なるほど、小〜中学生向け小説ですが侮れません。大人も夢中になれる素晴らしく面白い本でした!

『白狐魔記』という、狐が主人公の大河ファンタジーシリーズ。『源平の風』、『蒙古の波』、『洛中の火』、『戦国の雲』、『天草の霧』、『元禄の雪』全6巻で、鎌倉から江戸中期までの、武士が活躍した時代を狐の視点で追って描いた小説です。作者の斎藤洋作氏の作品はどうしたって面白い、という方々での噂の訳がこれでよく分かりました。歴史モノに有りがちな難しい漢字も少なく、全てにルビがふってあるので、こんなありがたいことはありません。日本史、知りたいけれど、硬い文章は苦手。登場人物の多さに目が回る。本を読むのは少し億劫。そんなつまずきを感じてしまう方にこそ、おすすめしたいです。

とにかく1巻目の『源平の風』の冒頭から、グイグイ引き込まれます。白狐魔丸という好奇心旺盛な狐が、人間に興味を持って、歴史上の人物に付いて回り、人間観察をしてゆきます。どうして人は争うのか。その心理を探りたいという強い動機から、人間に化けたり、気を使う術を身につけたりして狐も進化を遂げ、怒涛の時代をクリアしてゆきます。巻を追うごとに、白狐魔丸は、一貫して争い嫌いでありながら、人間への理解を深めてゆくので、読んでる方も一緒に人間の深層心理、面白さや悲しさに触れられます。ぜひ狐に寄り添って1巻目から読んで欲しいですね。

ちなみに、化け狐は3匹登場します。主人公で、争ってばかりの武士が嫌いという若い白狐魔丸、「殺生」を嫌う仙人の狐、「復讐」に燃える雅姫という雌の狐で、それぞれに主義があって魅了的です。ウチの子や私は、白狐魔丸が純朴で賢く、可愛いくてしかたがないのですが、多くの大人は、複雑な雅姫にこそ惹かれるかもしれません。物語が進むほど存在感が増してきます。美しいものを好み、賢く、愛情深い。でもどうしても復讐心から解放されず、悲劇に向かってしまう。本当は、ただひたすら北条時輔が好きなだけという、ものすごく女性的な狐。なんとも、格好よさと切なさを備え持ったヒロインです。

この本のお陰で、日本史がぐっと身近で情緒あふれる「物語」になりました。

(Anne)

2018/02/28

ドイツの不思議な駐車場

今度は、オランダ滞在中に行った、ドイツでの話です。

陸続きのヨーロッパだからこそ体験出来る国境越え。ウチの子にもさせてみたい。

ということで、オランダ滞在中に、車を西に走らせることにしました。

いざ国境を越えてみると家の造りが、まるで違う。レンガ造りで可愛いオランダの家とは違って、ドイツは石造りが目立ち、質実剛健な印象。こうした違いも、面白いなと思いました。

私たちはデュッセルドルフを目指しつつも、途中の城下町に寄り道してみました。真っ先に出迎えてくれたのは屋台のホットワインと白い大きなソーセージ。とにもかくにも、私の大好物です。美味しすぎでこの上なく幸せでした。

その後に小さな食堂に入ってみました。こちらはそこで注文したソーセージ入りのポタージュ。全粒粉のパンと共に。こういう素朴な食べ物も好きです。

そんなわけで、結局デュッセルドルフに到着したのは夕方でしたが、出店などが並ぶある賑やかな一角に行ってみることにしました。ウチの子と、主人と、私の妹とその息子は観覧車へ。高いところが苦手な妹のパートナーと母と私の三人組は麓で、またしてもホットワイン。ホットワインの写真を撮らなかったのは、それくらい好きで、飲む方に夢中だったからです。

で、ですね、またどうでもいい前置きが長くなってしまいましたが、これを見てください。

デュッセルドルフの地下の駐車場に行ってみたら、こんな表示がありました。「P」の右下に、どうみても女性のマーク。車椅子マークなら見慣れていますが、女性マーク?つまり、女性を優先する?

どういくことだろう、と皆で首をかしげました。レディーファースト的な感覚なのだろうか。よく見ると、出入り口に近く、比較的駐車しやすい場所のよう。もしかして、女性は運転が「苦手」だとみなして、優先させている?男女平等の意識がとても高いドイツで、「女性は運転が下手」なんていうふうにも取れる案内を公の場で出すかしら?

などなど、この女性マークにまつわる様々な疑問が浮かび上がりましたが、実はこれ、防犯。安全性の確保だという話を後で聞きました。

壁や柱が多かったり狭いスペースなど、または出入り口から遠い場所などは、確かに運転技術に長けてるほうが駐車しやすい場所でもありますね。でも同時に、人の目に付きにくい場所でもあります。ヨーロッパは、日本に比べて地下の駐車場での危険が多いのも事実。フランスに住む私の母は、以前、地下の駐車場には、一人の時は絶対に駐車しないと宣言していたのが思い出されました。ドイツのこのシステムがあれば、安心して地下にも車を停めることができますね。

なので、みなさんも、もしドイツで地下の駐車場に入ることがあれば、是非女性専用スペースを利用してみてくださいね。運転が上手な方でも誰でも、女性なら。

(Anne)

2018/02/14

オランダ紹介/その2

引き続きです。とても好きになったオランダの話です。

オランダと言えば、平な国。どこへでも苦なく自転車で行けてしまうというメリットがあるのは、子どもの頃テレビで見ていて知っていましたが、確かに行ってみるとペッタンコな地形で、且つ自転車大国です。自転車の優先道路は当たり前。自転車で楽しむレジャーもたくさんあります。自転車に対しては並ならぬ思いがあるようで、マイ・バイシコーにはマイ・ペットのごとく花飾りやミニライトなどの装飾をして、しっかりお洒落させてる風です。このような自転車が多かったですね。

あと、ブレーキは手元でなく、ペダルを逆に回すとかかるという方式も多く、私は慣れるまで少し怖かったです。

こちらは国立公園内を自転車で散歩するコースです。おとぎ話にでてきそうな深い森をの中を疾走し、マツやモミの清涼感ある香りをいっぱいに吸い込んで、それでも進むと、急に木々が少なくなって砂丘が広がりました。私たちはここまででUターンして十分楽しみましたが、ぐるりと一周するとお尻が痛くなる位長いコースだそうです。

それにしても、オランダの人々はとにかく大柄です。身長176センチの私が、普通に人々の中に埋もれます。いつも頭一つ出てしまう私にとって、このうえない幸福感を味わいました。温泉にどっぷり浸かるような安心感。そう例えたい感覚です。

これは、ペッタンコ靴を履いた私の目線から撮ったものです。この女性の方も、私より10センチは高いと思います。

ところが住処の方は、とんがり帽子の屋根が連なる小人の家のような、小ぶりな造りが多い気がしました。階段の歩幅や廊下も狭い。広い家もあるでしょうけれど、体型のわりに小さな家が目立つ印象がありました。家も道路も塀も全部レンガ。そのレンガは大小様々、色もクリーム色から臙脂まで様々。間に苔が生えて赤と緑のコントラストが綺麗でした。

ふと、安藤光政さんの絵を思い出しました。『旅の絵本』はオランダの街並みをモデルにしたのでしょうかね。

ランチはほとんどがサンドイッチ、オープンサンド、バーガー、といったサンド系です。バーガーを注文すると必ず、ナイフがぶっ刺してある、こんな物騒な形で出て来ます。

ハイネケン、しっかり飲んできました。

こんなスープもあります。マスタードのスープです。辛子をクリームで解いて、味付けしたような感じのもので、少し甘め。

さて、最後に空港で撮った「ニシン丸飲み」のポスターです。

オランダの名物といえば、丸ごと食べる生のニシンです。刻んだ玉ねぎがトッピングされているので、お刺身慣れしている私たちにとっては、味わいには抵抗感なくむしろ美味しいと思えるはずです。ただ、問題は食べ方です。なにせ尻尾をつまんでこのようにさかさに吊るして、あーん、と一口で食べるんですから。これ、やってみたかったのですが、私はさすがに無理で、結局お皿にのせてナイフで切って、フォークで一口大を口に入れるという面白味のない食べ方でいただきました。新鮮で美味しかったですよ。

最後にスキポール空港の目玉スポット。天井から吊り下げられた3M大の大時計です。このアナログ時計はアナログの極みで、1分刻むごとに作業服の男性が黒ペンキで描いては消して、描いては消してとやって、正確な時間を示してくれるものです。

じゃあ、この裏で本当におじさんが作業しているのかというと、そんなわけはなく、これはMaaten Baasという方の『Real Time』という録画作品なんですね。それでもこの作品を作るのに、12時間ぶっ通しで、1分ごとに描いては消しての作業をしていたのでしょうか?なんだか気が遠くなりそうですね。

と、いうわけで、この大時計を最後に、日本へ帰国しました。オランダのお話は、これで、おしまい。

(Anne)

2018/01/28

オランダ紹介

またもや年末年始に行ってきたオランダの話でスミマセン!

なにせオランダという国がとても気に入ってしまって、普段は写真なんてほとんど撮らない私もたくさんシャッターを切ってきました。

この広場のクリスマスツリーですが、日本やフランスの感覚でみると不思議に思いませんか?クリスマスシーズンだというのに、飾り付けされてないモミの木がドカンと一本置かれているだけ。モミの木の大きさだけは、それはそれは立派ですが。でもよーく見ると、実は豆ライトが巻き付けてあって、装飾ゼロではないのですが、極めて地味です。どうやら華美な装飾は好まれないようです。

とはいえ、「家」に関しては装飾好きのようです。控えめですが、家の中を常に綺麗に飾っているようです。

夜でもカーテンはほとんど使わず、大きな窓から中の様子が丸見えですが、あえて見せているような感覚があるみたいですね。見もらうべく、わざわざ窓際に花やオブジェなどを、外向きに飾っています。建物自体も細かくデザインされています。オランダの人々は家にお金をかける、という話も聞きました。確かにインテリアショップも多い。

これはアイスクリームではなくてポテトフライです。トッピングにマヨネーズっぽいサワークリームが乗っているもので、絶品です。

フリカンデルというソーセージもどきや、コロッケなどの自動販売機。

オランダの軽食なのでしょうね。もし日本に作るとすれば、オニギリの自動販売機、という感じでしょうか。

エダムチーズがズラーッと陳列棚に置かれています。日本で赤玉と呼ばれていたような元祖エダムチーズの他にも、種類もいろいろあり、私が得に気に入ったのは、ハーブとハチミツが混ざっているものでした。これをチーズトーストにすると最高。

喫茶店での飲み物です。オランダでは、温かい飲み物も、360ccぐらいのデュラレックスのようなグラスに入ってでてきます。印象的だったのは、ミントティーを頼めば、グラスにミントの葉を茎ごとさしてあるものが運ばれて、そこにウェーターがコポコポとお湯を注いでくれます。あと、オランダらしいのは、シナモンスティックと大胆にスライスしたジンジャーとレモンが入った飲み物。これも後からお湯を注ぎ、好みでハチミツを入れます。

Airbnbという民泊を利用して、北部の港町の家を借りてみました。門の脇には古い木靴が飾られ。

蛇口もこんなデザイン。

オランダではいたるところに控えめだけれどかわいいデザインが施されています。

今日はここまでで、またつづきます…。

(Anne)

2018/01/17

オランダの年明け

2018年、あけましておめでとうございます。

遅ればせながら、本年もよろしくお願いいたします。

さて、前回もお話したように、年末年始は、妹一家の暮らすオランダで過ごしたわけですが、個人的にはとても好きな、素敵な国でした。あれこれお話したいことは山ほどありますが、今日は、オランダではどのようにして新年を迎えるか、をお伝えしますね。いやはや、とにかくびっくりましたしたよ。

日本では、一般的に年越し蕎麦を食べて、除夜の鐘を聞いて、初詣、という過ごし方ですよね。フランスでは誰かの家の、盛大なパーティーに参加して、飲んで食べて踊って。そうです、いくつになっても、みんな踊ります。そして0時になると、シャンパンを開けて、乾杯して、お互いに挨拶のキスをして、引き続き踊りまくっての、朝までコースです。人の話し声や音楽が一晩中響き渡るので、早く寝たい人には辛い年始になります。

では、オランダではどう過ごすのか、出発前に妹に聞いてみると、花火だよ、と。ウチの主人もベルリンで新年を迎えたことがありますが、建物の屋上から仲間と花火を見てたというから、日本の夏の、隅田川とか熱海とかの花火大会のようなもののようです。欧州でも北のほうは「花火」と、ひとくくりにして、いざオランダへ。

いよいよ31日になり、妹一家の家で日本風にお蕎麦を食べていると、近所から時々パンパンという音が聞こえて、窓からは綺麗な打ち上げ花火が見え始めました。どうやらオランダは遠くから臨むというより、間近でみるものらしい。着火する人もカジュアルで、近所の人々が道端で、まさに日本の線香花火感覚。それも、友人や家族と共に楽しんでいる風もなく、ひとりで、黙って、淡々と、黙々と、花火を打ち上げ続ける。よその家の窓を見ても、だれも窓にへばりついて花火を見ている様子はなく、シラッとしている。そんな雰囲気でした。わざわざ出かけなくても、自宅窓から見れるなんてなんだか贅沢。得した気でいました。しかしそれは20時ごろの話。そんな優雅なことにはなりませんでした。

私たちは子供がいるので、時々打ち上げられる花火のパチパチ音を子守唄代わりに、早々に寝たのはいいのですが、真夜中になって、猛烈は爆破音と光線に、思わず飛び起きました。0時迎えるや否や、妹の家の足元で始まったのは、もはや戦場の銃撃戦です。下の映像見てください。

そこいらじゅうで花火が上がって、凄まじい音と火の粉に、思わず怯えるほどでした。ベルリンのように遠くから花火大会を臨むなんていうのとは違う。ヘッドホンしても爆音が轟き、アイマスクしても光が気になる。まったく眠れません。

素人が街中の車道や歩道でバンバン打ち上げても良い国だというのに驚きましたし、翌日の路上のゴミを見ても、花火の美しさや楽しさより、凄まじさを思い起こされる感じです。とはいえ、貴重な、本当に面白い経験でしたけど。ちなみに、このドンパチは、きっかり1時間。1時になると、ピタッとおさまりました。

そこで思ったわけです。オランダの人々はとても落ち着いていて、穏やか、そして大人しい。フランス人とは真逆で、ちっとも騒がない。もしかして、騒げない気質?そうがゆえに、花火に代弁してもらって、祝賀を叫んでいるのかもしれないと。

あ、サッカー観戦では自ら騒ぐらしいです。

(Anne)

2017/12/31

オランダの門松

いよいよ新しい年になりますね。どんな一年だっただろうかと振り返ると、日々のプチ・ハードル越えに夢中で、あっという間でした。しかも見たことのないプチ・ハードル、突然現れるプチ・ハードルに、時々息切れもしましたが面白い一年でした。皆さんはいかがでしたか?来年は、すこしゆったり、来賓客席で日々を傍観する、そんな心持ちでいようと思います。

さて。今、年末年始を過ごすため、妹一家の住むオランダに来ています。

ほんとうに、ぺったんこな平たい国です。

暮らし慣れたフランスや、幾度も訪れたアメリカとはまた違う。北欧風吹くオランダは、私にとって新鮮な魅力に溢れています。

こちらは、12月から1月まで通しで門にリースを飾ります。クリスマスもお正月もセットで、日本の慌ただしさからみると、ずいぶんゆったりと年末年始を過ごしているように思います。しかも日本やフランスとは違って、装飾が極めて地味。こちらの人は、質素、慎ましやかな生活を重んじているようです。

その手作りで地味な装飾が、私にとってはとても素敵に見えて、リースの写真もたくさん撮りました。要するにオランダの「門松」です。皆さんだったらどのリースがお好きですか?

枝を集めただけのリースです。

赤い実の付いた蔓を丸めただけのリース。

松ぼっくりと苔の寄せ合わせ。

こんな形のもあります。枝を束ねて逆さに吊るしただけ。

別バージョン。

これは少し華やか?どんぐりとマロニエの実など。

蔓とユーカリとシダ?

これも華やか寄り。

藁。

枯れ枝のみ。緑のライトが巻かれています。

モミだけですが、大きな鐘をぶら下げています。

松葉と松ぼっくり。

これはアケビかなにか、実ですね。

などなど、いろいろ載せてしまいましたが、来年は私も手作りしてみようかな。

また来年もよろしくお願いいたします。

(Anne)

2017/12/14

長財布が消えてしまう?

毎年12月に入ると、不思議と突然忙しくなりますが、皆さんもそうではないでしょうか?

私はあまりスピーディーなタイプではないので、この師走の速度についていけなくなることがしばしばあります。たいがい、そのしわ寄せは年賀状を寒中見舞いに回してなんとか解決するのですが、あまり褒められたことではありませんね。今回もそのパターンになるかどうか。。。それは兎も角、よりによってこの時期に、例の私のクセが頻発しており、正直困ってます。

以前にもお話したかと思いますが、私、よくお財布を家に忘れるんです。

携帯は常備していても、お財布の方はお使いだというのに忘れてでかけてしまう。それで、忘れ物に気付くお会計時、スーパーのレジ前で、郵便局の窓口で、バスの乗車口で、恥ずかしい思いをするのはまだ良いのですが、お財布を取りに戻らなくてはならない、この往復の時間がもったいなすぎてがっかりしてしまいます。最悪なのはタクシーの支払時です。この時に忘れ物に気付くと、時間のロスもしかりですが、本来片道のみで済む料金に加えて、一度取りに帰る往復の代金がかかりますからね。その度に、私の頭にサザエさんのBGMが流れます。「買い物しようと町まで出かけたが財布を忘れて愉快なサザエさん」。旧姓がサザエに似ていることもあって、ま、愉快な私なら良しとしましょう、と渋々励ましています。

そうしたら、先日、こんなことがありました。徒歩範囲の喫茶店で人と待ち合わせをした時のことです。私の用事に付き合ってもらったので、相手のお茶代は私が負担するつもりでいました。ところが、お会計のレジ前でバックを開くと、例のごとく、お財布がない!幸い、相手の方には先に出てもらっていたので、この醜態は晒さなくて済みましたが、さてどうしよう。買い物だったら、買う前なので、買い物をその場に置いて一旦帰れますが、喫茶店のお会計時ともなると、品物は胃袋の中です。飲み逃げを疑われても当然です。とにかくまずはと、レジ係の人に正直に話しました。だって、お財布を忘れたと正直に話す他ないですからね。まさか「消えました!」なんて言いはしませんよ。

「すみません、うっかりお財布を忘れて出てきちゃって。すぐに取ってきてお支払いします」。

そう言いながら身分証明書を差し出そうとしたら、「いえ、大丈夫ですよ~」と。「念のためお名前だけ伺って良いですか」と、身分証明書の確認もせずに私の苗字をメモしただけでした。私は「サザエ」に似た稀な旧姓から、結婚後のありふれた苗字に代わって、名乗る際は楽になったと清々していましたが、さすがにこの場合は名前がありがちすぎるので、下も伝えないと信頼してもらえないでしょう。ところがレジの係は、そんなことはしなくてもニコニコ。いってらっしゃーいと言わんばかりの笑顔を向けてくれました。

その後の私はといえば、もちろん、ちゃんと家にお財布を取りに戻り、元の喫茶店へ行って、「すみません、さきほどの」とありふれた苗字を名乗り、きちんと会計を済ませましたよ。

やれやれ。まったく。もう少し存在感のある長財布にしたら忘れないかしらなどと、自分へのクリスマスプレゼントを考えてもみましたが、そもそも世界的に現金払い自体が旧式になりつつある今、お財布を新調する意味があるのだろうか。世界からお財布が消える日は、もうすぐそこかもしれませんね。

ではでは、良いクリスマスを!

(Anne)

2017/11/17

ガラスの贈り物

そろそろクリスマスプレゼントの準備に取り掛かる時期になりましたね。

贈り物は、貰う方も渡す方も幸せな気持ちにさせてくれますよね。特に、渡す方の方が幸せなようにも思います。

でも、いざクリスマスが近づいてきて、いよいよ選び始めようとすると、私は、すぐに良い贈り物が思い浮かびません。それでウィンドーショッピングやネットサーフィングなどして、あれやこれや迷って、大切な人のことを思い浮かべながら、どういうものだったら喜ぶかなと考えたり、その喜んでいる顔を思いうかべたりします。それだけでも楽しいし、幸せではないですか?そんなふうに人のことを思いやるクリスマスシーズンは、いつもより世の中に幸福感が溢れるいるような気がしますし、そんなふうに人を思いやれる時間があること自体に感謝したいです。

さて。話は逸れますが、先日久しぶりにアフターファイブの街に繰り出して、ギャラリーに個展を観に行ってきました。

ガラス造形作家、奥野美果さんの『ひかりの在るところ』でという個展で、18日まで麻布十番の『ギャラリー・ラ・リューシュ』で開催されています。

あ、明日までですね!

http://www.micaglass.com

実は、この方のお父様は文芸評論家の奥野健男氏で、私は祖父母の代から交流があり、幼少の頃、別荘に幾度か遊びに行った覚えがあります。もうかれこれ40年ぐらい前の話ですが。それっきりお会いしていなかったに、ひょんなことから連絡をいただいて、嬉しいことに個展のお誘いまでいただいた、というわけなんです。

さて、今回展示されていた作品は、というと、豪邸に住んでいたら飾りたくなるような大きめのものから、玄関にちょこっと飾れそうなサイズのものまで様々ですが、素敵なものばかりでした。ガラスを通して生まれる光が面白い。それに、ガラスという素材が冷たいイメージのものなのに、生命の温かみが感じられるようなコントラストも魅力的です。今にも動きそう、息づいているよう、「ねぇ」と肩に手を添えて語りかけてくれるようだったりと。

見ているうちにどうしても欲しくなってしまったので、お手頃サイズのものを一つ購入しました。小さな花瓶にもなります。

写真の、右と左の作品で散々迷って、結局、右のものにしました。皆さんだったらどちらにしますか?

ちなみに一緒に行った従姉は左の方が好み。気泡の現れ方が可愛いと言っていましたね。

そこで思ったわけです。

大切な人への贈り物として、こういう芸術作品も良いなと。残念ながら今回は、2作品は購入できませんでしたが、もしそれが可能だったら、誰に贈っただろうかなと想像して、気持ちの高鳴りを感じながら家路につきました。

(Anne)

卯年の兎好き

先日、スタイリストの石井あすかさんのブログを見ていたらこんなことがありました。

http://osharetecho.jp/archives/5264/

他のみなさんもそうですが、いつも綺麗な写真を載せていらしてすごいなぁと読んでいると、9月29日付けの伊勢と四日市旅行記に、私の持ち物が登場しているではないですか!え!どういうこと?

でも、よくよく見てみると、私の物ではもちろんなくて、あすかさんが購入されたという帯留めでした。嬉しい!思わず「私も同じの持ってる!」と叫びたい気持ちを堪えて、お揃いを確かめに、箪笥の引き出しをゴソゴソやりはじめました。ここ数年着物を着る機会がほぼなくなってしまったために、かわいそうに、箪笥の奥の方に追いやっていたようです。10年前ぐらいに一目惚れした作品なのに。手持ちのアクセサリーの中で一番、と言えるくらい好きなデザインなのに。

天野ミサさんという彫金アクセサリー作家さんの作品です。彫金素材と動きのあるデザインが大人っぽくて、うさぎモチーフなのに甘すぎない。この作品を身につけていると色々な方が褒めてくれるので福来る、招き猫ならぬ招き兎のようなものです。

早速引き出しの奥から引っ張り出して、久しぶりに我がうさぎを手に取ってみました。すると、あすかさんのと同じと思っていたのが、実は向きが違う。しかも手作りとだけあって、少しばかり手の長さや目の表情などが違う。私のうさぎは帯留めとしても使いますが、裏には安全ピンがついているブローチです。あすかさんのもブローチなのだろうか。

というわけで数日前、お会いした時に聞いてみました。そしたら、本当の帯留めだそうです。裏がベルト通しのようになっているやつですね。ミサさんの作品、いいよねと共感して、にっこり。

あすかさんは卯年だそうで、「うさぎの物には目がないの」とおっしゃってました。

(私の帯留めバイブル、貴道裕子著『Obidome』p93には、こんなぷっくりしたうさぎが。)

そういえば、私の祖父も卯年。「だからうさぎの物が好きなんだ」と生前に言っていたのが思い出されます。確かに絵画やら置物やら食器やら、鬱陶しくない程度にうさぎモノが祖父母の家にありましたね。書斎にも黒うさぎの小さな置物が飾ってありました。カナダ土産で、ネイティブ・アメリカンの民芸品かどうかは定かではありませんが、幼いながらにずっと気になっていました。あるとき思い切って「頂戴」とねだると、すんなり「いいよ」。

うさぎモノには目がないとはいえ、目に入れても痛くない初孫の私のためですから。黒うさぎは今、我が家の書斎でおとなしくしています。

おまけ。『天の火をぬすんだウサギ』評論社。ネイティブ・アメリカンの伝説。

(Anne)

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